筆者が最近耳にした用語で、「ダークパターン」と言うものがありました。
ダークパターンとは、「消費者の不利な判断を(無意識に)誘導するように設計されたWEBサイト」らしいです。
確かに、言われてみれば沢山ありますね…。
そんな訳で、少し見ていきましょうか。
目次
WEBサイトに多用されるダークパターン
ダークパターンの定義は様々で、人によって認識が異なると思います。
明らかに「コレは詐欺じゃないか!」、「うわぁ〜悪質!」みたいな物から、自動車学校の学科的な引っ掛け系の表記の物もありますね。
- 自動で定期購入に移行する。
- 消費者が気づかないように手数料や送料を追加する。
- 勝手にセット商品化してカートに突っ込む。
- 解約の手続きが分かりにくかったり、妨害行為をする。
あたりが代表例でしょう。
また、通販ではサクラレビューによる撹乱や、タイムセールによる煽り、などもダークパターンと呼ばれる事があります。
売る側は、行動経済学や認知バイアスに基づいて巧妙に罠を張っているのです。
また、通販サイト以外では、画面いっぱいに広がって踏んでしまいやすい広告や、スクロールに追尾してくる広告など、迷惑な広告の乱用もダークパターンに該当するかもしれません。
これらの広告は確実に消費者が不快になり、短期的に稼げても、長期的には企業イメージの悪化など、リスクが大きいと思うのです。
それでも一向に減らないのは何故か?、理解に苦しみますね…。
では、次の項で、もう少し身近な例を見ていくましょうか。
これはグレーゾーン?、大手通販サイトの事例
実は我々にとって身近な、大手通販2社もダークパターンに該当するのではないか?と思える行為を行っているようです。
見慣れているし、慎重に目を通せば被害を防げるレベルの物なので、所謂グレーゾーンと言ったところでしょう。
某A社の場合
世界的なネット通販大手、某A社は圧倒的な品揃えを誇り、国内大手R社のような迷惑メールが無い点が支持されています。
一方で、露骨にAmaz◯nプライムに誘導するインターフェースが少々気になりますね…。
こちらはA社アプリのスクリーンショットです。
商品にもよりますが、デフォルトで定期購入が選択されています。
加えて、購入を進めようとすると、今度はプライム無料体験(30日後から有料に移行)が選択されているのです。
少なくとも筆者は、Am◯zonプライムのメリットが何一つ無い人間ですが、うっかり入会してしまい、その後請求が来て驚いた経験があります。
その時は、お急ぎ便などの利用が無かった事もあり、料金を払わずに解約できて事なきを得ました。
まぁ、A社ほどの巨大通販サイトであれば、取り扱う商品の数も膨大なので、偽物やサクラレビューも多いですね。
それらに関しては、さくらチェッカーを使って確認していますが…、やはりマーケットプレイスは避けたいと思うのです。
そして、Ama◯onプライムや定期購入に関しては、注意深く画面を確認すれば「普通の買い物ができる」訳です。
やはり、急がず、焦らず、慎重に…が重要でしょう。
某R社の場合
国内通販大手、某R社は「ゴリゴリ貯まるポイント」が武器ですね。
そんなR社の嫌われる要因は、一にも二にも「迷惑メール」でしょう。
以下はR社アプリのスクリーンショットです。
R社の注文確認画面は、段階を追って画面を切り替えていくタイプではなく、縦長構造になっています。
そして、注文確認画面を開いてスクロールせず見える位置に注文確定ボタンがあります。
いつも同じ決済方法を利用している、急いでいる、と言った状況が重なると、この段階でポチっとやってしまう可能性があるでしょう…。
さらにスクロールすると、ポイントの利用やクーポンの利用…、と言った項目が現れ、再度「注文確定ボタン」が用意されています。
しかし、この段階でポチっていけない…。
本題はここからです。
2つ目の注文確認ボタンよりも下に「メルマガ配信希望」の項があり、複数の迷惑メールが全てチェック済みの状態になっているのですね。
コレを全て外さないと、迷惑メールの洪水に悩まされる事になるのです。
もしかすると、コレもダークパターンの一種かもしれないです。
筆者は何度も迷惑メールのチェック状態で注文確定を押してしまい、後から面倒な解除作業を行なった事が何度もあります。
それでも、分かっていても同じ事を繰り返してしまうのは何故でしょう…。
おわりに
世の中に溢れるダークパターンですが、日本での規制は非常に緩く、ほぼやりたい放題の状態です。
実際、不快に感じる消費者も多いだろうし、意図しない定期購入に至って経済的な損失を被った例もあります。
しかしながら、それが資本主義であり、資本主義は弱肉強食なのです。
ダークパターンを採用する側が合法である以上、我々は「騙される方が悪い」、「騙されないように賢くなるべき」と、考えを改める必要があるでしょう。
実際、海外の小学校では「みんなと仲良くしなさい」ではなく、「騙されないように賢くなりなさい、美味い話は疑いなさい」と教えるようです。
消費者の頭の中がお花畑なのは、日本だけかもしれません。