豚すくりーみんぐ。

意識低い系ダメ人間を極めるブログ。

ギター弦: ダダリオのコーティング弦。

2月22日、雪で仕事ができないので、前回とは別のギターの弦を交換する事にしました。
今回はエリクサーではなく、ダダリオのコーティング弦を張っていきます(XT→XSの張り替え)。
また、使用感についてもレビューしていこうと思います。

目次

  1. ダダリオの現行コーティング弦: XTとXS
    1. XT
    2. XS
  2. おわりに



ダダリオの現行コーティング弦: XTとXS

筆者は社会人になって以来のダダリオユーザーで、同社のXLシリーズ(EXL120、EXL130)を使い続けてきました。
ダダリオはアーニーボールと並ぶ業界標準でもあり、筆者のような田舎でも入手できる点が魅力でした。

当方、5年以上前から竿物を断捨離し、ロングスケールのギターが無くなった事で、買うのは専らEXL120(09-42)になったのですが、近年の価格高騰で気軽に手を出せない状況に…。
そんな訳で、通常弦のEXL120(2〜3ヶ月毎に交換)を張る個体は1本に限定していたのです。
それでも維持費が辛かったのですが、ダダリオから新しいコーティング弦が立て続けに発表された事もあり、試す事にしたのです。

ダダリオの現行コーティング弦、XS(白)とXT(黒)。

ダダリオでは過去にEXPと言うシリーズのコーティング弦が存在したものの、プレーン弦は裸弦で通常弦と変わらず、とてもエリクサーと勝負できる製品ではありません。
しかし、新シリーズのXT、XSはプレーン弦にもコーティングを施して寿命を改善し、エリクサーと異なる価値観を打ち出した製品として注目されているようです。
さっそく、このXTとXSについて見ていきましょう。

XT

XTは巻弦のコーティング手法がエリクサーと異なり、巻線をコーティングして芯線に巻く方法を採用しています。
また、巻弦で弦アースが落ちる点や、エリクサーNANOWEBよりもコーティングが剥がれにくい点を評価する声が多いのも印象的。

約8カ月張ったダダリオXT、梅雨時期を除けば長寿命と思われる。

こちらは梅雨時期に張り替え後、8ヶ月程度使用したXTですが、エリクサーに比べてプレーン弦に曇りが見られます。
多少感触は変わっていますが、錆びて使用に耐えない訳ではなく、普通に運指は可能でした。
エリクサーとは違い、GHS FAST-FRETを常用していたのですが、プレーン弦の防錆性はエリクサーのAnti-Rustに及ばないようです。



ただ、XTはエリクサーよりもテンション感が緩く、同じゲージでも弦自体が細く感じます。
張った直後はコーティング弦特有のヌルヌル感があるものの、エリクサーと違い、時間の経過と共に通常弦に近い手触りになります。
まぁ、音の違いは通常弦のXLもエリクサーも大差ないと思うのですが、エリクサーよりも劣化する(ヘタる/火力が落ちる)ペースは早いでしょう。

XTは価格がエリクサーと同等でも、寿命は短く、コスパでは勝てません。
ただ、通常弦に慣れたユーザーの中には、エリクサーのテンション感と手触りがどうしても許容できない、と言う人が一定数いるのです。
通常弦、特にダダリオのXLに近い使用感を求める場合は、エリクサーにコスパで劣っても、選ぶ価値がある弦だと思います。

XS

XSはXTより後発で、巻弦そのものを丸ごとコーティングする、エリクサーと同様の方法を採用した弦です。
プレーン弦はXT同様、コーティングが施されています。
XSはエリクサーよりも少しテンション感が緩く、最初は通常弦より硬く感じられます。
手触りも、XTと言うよりエリクサーに近いですが、コーティング被膜はXTよりXSの方が剥がれやすい気がする。



巻弦の弦アースに関しては、エリクサーでもダダリオでもプレーン弦やブリッジから両手を完全に放す事はないので、最初から気にしていません。
あと、張った直後からのチューニングの安定性は、エリクサーより上だと思う…。

音に関しては、筆者の場合違いが分からないですが、知人の談では「XTはXL寄りの落ち着いた音」で、「XSはNYXLに近いブライトな音」らしいです。
ただ、XSの残念な点は6弦1セットの現行銘柄で最上級に高い価格…。
エリクサーより高いけど、寿命では敵わない。
コスパで考えると、通常弦を1〜2ヶ月で交換するよりは経済的ですが、それでも手を出しにくい商品なのは確かです。


おわりに

ギターは弦が無いと音が出ないので、消耗品の中でも拘る人が多い部分だと思います。
筆者の弦に対する拘りは、適度に柔らかいテンション感(特にプレーン弦)、流通量(供給の安定性)、不良品率の低さ、価格(ランニングコスト)、これらのバランス。
結果として、ダダリオXLが長年の最適解でした。

筆者がコーティング弦に関心を持ったきっかけは、通常弦の価格高騰(維持費の問題)なのですが、それでもダダリオXL、もしくはそれに近い弦を使いたいと思っています。
確かに、背に腹は変えられないので、客観的に考えるとエリクサー1択。
しかし、エリクサーより通常弦(XL)に近く、コスパが通常弦に優る妥協点の登場で、もう1年近く悩んでおります…。

改めて、弦選びは難しいと思いました。